「きつかった」を数値にする、という発想
トレーニングを終えたあと、「今日はきつかった」と感じることがあると思います。でもその「きつさ」、実はもっと具体的に言語化できるのをご存知でしょうか。RPE(Rating of Perceived Exertion)は、そのセットで「あと何回できたか」という感覚を0〜10の数値で表す、主観的な強度の指標です。重量という絶対値だけでなく、自分の体の状態を基準にトレーニングを組み立てられるのが、この指標の最大の特徴です。
RPEを1文で説明するなら
RPEとは、「あと何回できるか」を10段階で表した主観的な強度の指標です。これはトレーニングの現場でよく使われるRIR(Reps in Reserve=余力の回数)とほぼ同じ考え方に基づいています。たとえばRPE10はそれ以上1回も挙げられない限界の状態、RPE8は「あと2回はできそう」という感覚に対応します。RIR1〜2、つまりRPE8〜9の範囲が、筋肥大に最も効果的な強度帯とされており、この感覚を毎セット意識することがトレーニングの質を大きく左右します。
同じ重量でも、体調で「難しさ」は変わる
なぜRPEが重要なのかというと、同じ重量でも体調によってその「難しさ」がまったく異なるからです。睡眠不足の日、栄養が足りていない日、前日に追い込みすぎた日——そういった日に同じ重量を同じ回数こなそうとすると、知らず知らずのうちにフォームが崩れたり、対象筋への刺激が届かなくなったりします。RPEを使えば「今日の自分の状態」に合った強度でセットを組み立てられるため、調子の悪い日はRPE8を維持しながら重量を少し落とす、という柔軟な判断ができるようになります。
よくある誤解:重量こそが唯一の指標、は本当か
「重量が上がっていないと成長していない」と感じている方は少なくありません。しかし実際には、ターゲット筋に適切な負荷が乗っていることが前提であり、フォームが崩れた高重量よりもフォームが整った中重量の方が筋肥大に有効なケースは多々あります。RPE8〜9の強度でしっかり追い込めているかどうかの方が、重量の数字そのものより成長につながりやすいのです。重量はあくまで手段であり、目的は対象筋への適切な刺激を届けることだということを、ぜひ一度見直してみてください。
今日から取り入れるRPE活用チェックリスト
- RPEを毎セット記録する
- 重量より感覚(RPE)を優先する
- セットの最後に「あと何回できるか」を自問する習慣をつける
- メインセットはRPE8〜9を目安にする
- 体調に応じて重量を柔軟に調整する
RPEを記録することで、トレーニングが変わる
RPEをトレーニングログに残すことは、単なる数値の記録以上の意味を持ちます。「先週のベンチプレスはRPE8だったのに、今週は同じ重量でRPE9になっている」という変化に気づけると、それは回復不足や体調の変化をいち早く察知するサインになります。逆に「RPE7以下が続いている」と感じたら、重量を上げるタイミングのサインです。重量×回数×セット数というボリュームの記録に加えて、RPEという感覚の記録も一緒に残す習慣を、ぜひ今日のトレーニングから始めてみてください。