「握力を補う」ギアは同じでも、目的は全然違う
パワーグリップとリフティングフック(フック)は、どちらも「握力を補助するギア」として紹介されることがあります。ただ、この2つを「似たようなもの」として扱ってしまうと、選び方を間違えてしまう可能性があります。実際に使ってみて「思っていたのと違う」「使いにくいまま終わった」というケースは少なくありません。購入前にそれぞれの本質的な違いを理解しておくことが、ギア選びで後悔しないための最初のステップです。
一番の違いは「用途の幅」にある
パワーグリップは、手のひらを包み込むような形でバーに当て、引き系の種目全般でグリップ力を補助する設計です。ラットプルダウン・ローイング・チンニングといった複数の種目をまたいで使えるのが特徴で、いざというときに手を開いてバーから外せるため、セーフティとしての機能も備えています。一方のフックは、金属製のフックをバーに引っかける構造で、デッドリフトに特化した超高重量向けのギアです。グリップ力の限界を根本から超えたい場面では強力な選択肢ですが、外す動作が必要なため緊急時の対応には注意が必要で、手首への負担が大きくなる場合もあります。「用途の幅」という観点で見ると、この2つは根本的に異なる道具だと理解しておいてください。
パワーグリップが向いている人
引き系の種目を幅広くトレーニングに取り入れている方には、パワーグリップが合理的な選択です。ラットプルダウン・ベントローイング・チンニングなど、複数の種目を一つのギアでカバーできるため、セットごとにギアを付け替える手間がかかりません。また、「グリップが先に限界になって、ターゲットの背中にしっかり効かせられていない」という悩みを持っている方にも、パワーグリップは効果的なアプローチになります。装着が比較的簡単で扱いやすいため、初めて補助ギアを導入する方にも向いています。手首のサポートも同時に欲しい場合は、PROタイプのゴリラグリップスPROも選択肢に入れてみてください。
フックが向いている人
デッドリフトに特化して、グリップの限界を超えた超高重量を扱いたい方にはフックが有効です。バーに金属フックを引っかける仕組みのため、パワーグリップでは対応しきれないレベルの重量でも引き切ることができます。ただし、使用する際にはいくつかの点に注意が必要です。手首への負担がパワーグリップと比較して大きくなりやすいこと、そして外す動作に手間がかかるため緊急時の対応が遅れる可能性があることは、事前に把握しておいてほしいポイントです。初めて補助ギアを使う方や、デッドリフト以外の種目にも使いたい方には、まずパワーグリップからスタートすることをおすすめします。
買う前に確認したい5つのポイント
どちらのギアが自分に合っているかを判断するために、以下のチェックポイントを参考にしてみてください。どれか一つでも「これだ」と感じる項目があれば、ギア選びの方向性が見えてきます。
- メイン種目は何か(引き系全般か、デッドリフト特化か)
- デッドリフト特化のトレーニングをしているか
- 複数の種目をまたいでギアを使いたいか
- 手首に不安や違和感があるか
- 初めて補助ギアを導入する段階か
引き系全般をメインにしていて、複数種目で使いたい場合はパワーグリップが向いています。デッドリフト特化で、今の重量ではグリップが完全に限界になっているという方はフックを検討してみてください。迷った場合や、初めての1本を選ぶ段階では、汎用性の高いパワーグリップからスタートするのが無難です。ギアは「今一番制限になっている部分を外す」ために使うもの。自分のトレーニングの現状と照らし合わせながら、ぴったりの1本を選んでいただけると嬉しいです。