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ファンクショナルトレーニングとボディメイクトレーニングの違い

ファンクショナルトレーニングとボディメイクトレーニングの違い

岩田勇樹PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー |

はじめに

ファンクショナルトレーニング(機能的トレーニング)は、日常生活やスポーツでの動作を効率よく、安全に行うために必要な筋力、柔軟性、バランス、体幹の安定性を高めるトレーニング方法です。このトレーニングは、単一の筋肉群を鍛えるのではなく、身体の複数の筋肉群を統合して動かし、全身の機能的な強さと調和を高めることに焦点を当てています。
実践的な力、スピード、バランス、柔軟性を向上させることができ、怪我の予防とパフォーマンスの向上に役立ちます。

 

ファンクショナルトレーニングの主要な要素

多関節運動: 複数の関節と筋肉を同時に使う運動を行います。
バランスとコアの強化: 体の安定性と調整力、コアの力を高めることで、全体的な運動能力を向上させます。
パフォーマンスの向上: スポーツ特有の動きをトレーニングに取り入れ、競技パフォーマンスを高めます。

 

ファンクショナルトレーニングの5原則

1.重力を利用する(Gravity)

重力は私たちが常に抵抗しながら動作を行う要因です。トレーニングの体勢を仰向け、うつ伏せ、横向き、四つ這い、座位、立位など変化させ強度を変化させることもできます。


2.分離と協同(Dissociate & Integrate)

筋肉や関節は協同して動作させることもあれば、不要な部分を分離することで安定した動きを実現する必要性があります。投手がボールを投げる際に土台として安定させなければいけない部位と、滑らかに動かさなければいけない部位があり、シーンによって使い分けることができる身体づくりが必要です。


3.筋肉の連鎖(Kinetic Chain)

人間の動作は複数の筋肉が連鎖して成立しています。動きの流れを作るためには、どこかの部位だけに負担が掛かっているでは効率的ではありません。関節の強さも構造状異なります。どこの関節に何%負担させるかが効率的に身体を動かすポイントであります。

 

4. 3Dの運動パターン (3Dimension Movement Pattern)(3Dimension Movement Pattern)

3Dの運動を通じて身体の機能的な動きを向上させます。日常生活動作やスポーツパフォーマンスは一軸の動作のみで構成されていません。代表的な一軸動作で行われるトレーニングはバイセプスカールなど、肘関節を活用するトレーニングがイメージしやすいかと思います。(正確にはバイセプスカールも1軸のみで達成されるエクササイズではありません。)連動性は向上させることは1軸では難しく多軸動作であることが重要です。また横方向、前後方向、上下方向、水平面の多面的動作が機能的な動きを向上させます。



5. 力の吸収と発揮(Loading & Unloading)

動作中の力の吸収と発揮を意識してトレーニングします。力を発揮する前には、必ず力を吸収が行われます。伸びる縮む、などのようにスイッチのオン・オフの切り替えを必要とするトレーニングを意識的に組み込むことで、無意識的な動作の構築に役立ちます。

 

ファンクショナルトレーニングとボディメイクトレーニングの違い

目的の違い: ファンクショナルトレーニングは日常生活やスポーツでのパフォーマンス向上を目的としていますが、ボディメイクトレーニングは主に見た目の改善、筋肉量の増加や体脂肪の減少に重点を置きます。


トレーニングのアプローチ: ファンクショナルトレーニングでは、全身を使った複合的な動きが中心で、バランスや安定性も重要視されます。一方、ボディメイクトレーニングでは特定の筋群を隔離して鍛えるアイソレーション運動が多用されます。ボディメイクトレーニングでは特定の筋肉群へ焦点を当て、「効かせる」という表現が使われることがありますが、ファンクショナルトレーニングではこの「効かせる」は重要視していません。むしろどこかの特定の筋肉に「効かせる」ことをしない方がトレーニング効果としては高いと言えます。
ファンクショナルトレーニングは特定の筋肉を強化したり肥大させることよりも、効率的な動作に磨きをかけることが求められる為、どこかの筋肉だけに負担が掛かっているという状況は望ましくありません。動きの滑らかさやスムーズさが求められます。

まとめ

ファンクショナルトレーニングは、実生活や競技に直接的に役立つ身体能力を高めるために欠かせないトレーニング方法です。ボディメイクトレーニングが、「筋肉に効かせる」トレーニングであることに対し、ファンクショナルトレーニングは「動きの質」を高めるトレーニングと考えることができます。ファンクショナルトレーニングは実用的な強さ、スピード、柔軟性を同時に鍛えることができ、一般運動愛好者のみならずアスリートにとってもこれらの要素はパフォーマンス向上に直結するためトレーニングプログラムにおいて重要な位置を占めています。トレーニングは目的を理解し取り組むことで、大きな効果を得られることができます。

 

参考文献
『運動生理学20 講(第3 版) 勝田 茂 征矢 英昭 久野 譜也』
『ストレングストレーニング&コンディショニング(第4版)』