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なぜ腹筋をしてもお腹が凹まないのか?

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お腹を凹ませたい。
その欲求は世代、男女、国籍、また時代をも問わず多くの方が持っている永遠のテーマです。
お腹がポッコリと出てしまった方がそれをまず改善しようと始める運動はなんでしょうか?

 

 

多くの方が、定型的な腹筋運動をチョイスされますが腹筋運動ではお腹は凹みません。

ましてや、揉んでも、電気を流してブルブルさせても、何かを塗ってもお腹の脂肪は減らすことはできません。

腹筋運動をする場合、皆さんはどれだけの時間を動き続けることができますか?

腹筋運動という動作を分解してみると、腹直筋というごく小さな筋肉のみに負荷を与えて動かします。たった一つの筋肉のみに負荷をかけて続ければ、すぐに疲労して動かなくなってしまいます。

ではウォーキングの動作はどうでしょうか?腿周りや臀部、ふくらはぎなど沢山の大きな筋肉の動きから成り立っています。腹筋運動を続けて行えるのは人にもよりますが、せいぜい時間にして1~2分程度なのに対し、より多くの時間、少ない疲労で動かし続けることができるのは明らかです。

いくら腹筋運動を頑張っても腹筋運動自体に有酸素運動としての効果、つまり脂肪を減らす効果はほとんどないため、腹筋のうえを分厚い脂肪が覆っている限り、鍛えた腹筋が姿を現してくれることはありません。

効率よく体脂肪を落とすのに、その最も有効な手段は定型的な腹筋運動ではなく、全身の大きな筋肉(下肢などの大筋群)を鍛え全身の筋肉量を増やし、基礎代謝が高い身体を作ることです。そうすることで、有酸素運動時により効率的に多くのエネルギーを消費できる上に、日常生活においても多くのエネルギーを消費するようになり、根本的に太りにくい体になっていきます。

 

 

【タイプ別の運動えらび】

お腹を凹ますためにチョイスするべき運動は2つのタイプに分かれます。

タイプ1:筋肉量が多く、体脂肪量が多い方
タイプ2:筋肉量が少なく、体脂肪量が多い方


タイプⅠの方は筋肉量が多いのに体脂肪量も多いという方です。
このタイプの方の場合は、筋力トレーニングよりも有酸素運動を中心とした運動の選択がおすすめです。また、基礎代謝が高いのに体脂肪が多いというのは、摂取カロリーが多いことが考えられます。有酸素運動を中心とした運動に加え、摂取カロリーのコントロールがポッコリお腹を凹ます、キーポイントとなるでしょう。

参考例:ウォーキング・ジョギング・ランニング・エアロバイク・自転車・クロストレーナー・クライミングマシン・ローイングマシン・プール・スタジオレッスン… etc

タイプ2の方は筋肉量が少なく、体脂肪量も多いため、まずは筋肉量を増やすための運動から開始するとよいでしょう。下肢・胸部・背部といった3大筋群をまずは鍛え、基礎代謝を向上させていくことが大切です。その為、筋肉を育てるために、まずは高タンパクな食事の選択も必要です。摂取量が少ないと筋肉を育てることが難しくもなるためしっかりと食べますが、低脂肪・低糖質の食事を意識しながらバランスの良い食事を意識していくと良いでしょう。

参考例:下肢・胸部・背部の3大筋群のレジスタンストレーニング(高負荷低回数)     筋トレ → 有酸素の順番

 

 


【太るしくみ、痩せるしくみ】

最後に、太るしくみ、痩せるしくみについての説明です。

脂肪がつく(蓄積される)しくみは単純明快です。摂取カロリーが消費カロリーを上回ると余分なカロリーが内臓脂肪や皮下脂肪といった体脂肪として体に蓄積されます。

摂取カロリーと消費カロリーが同等、つまりエネルギーの収支が適正であれば太らないということですし、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、その分体脂肪がエネルギーとして使われ減少する。つまり瘦せるというしくみです。

 


人間の総消費エネルギー量の内訳は次の通りです。

 基礎代謝……………約60%

身体活動……………約30%

食事誘発性熱産生…約10%

 

あくまでも一般的なパーセンテージの内訳ですが、このように基礎代謝が過半数の割合を占めています。

基礎代謝とは呼吸や体温維持、内臓の働き、細胞の再生など新陳代謝で使われるエネルギーで、つまり何も活動していなくても生きているだけで消費されるエネルギーの総計です。

身体活動には仕事や家事などの日常生活、スポーツ、トレーニングなどが含まれます。前述した通り、痩せるためには消費する量が摂取する量を上回る必要があります。

お腹を凹ますためには、第一のチョイスを腹筋運動にするではなく、消費カロリーを増やし、摂取カロリーを抑える2つの策を講じていきましょう。

  

参考文献
内臓脂肪をとってすっきりおなかを凹ませるコツがわかる本 総監修 板倉弘重
なぜいくら腹筋をしても腹が凹まないのか 著者 中野ジェームズ修一

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